水彩画・人物の描き方/塗り方を解説[動画あり]~イチロー選手の似顔絵を透明水彩で描く

紛うことなき日本の大スター・イチロー選手。
引退会見の直後、イチロー選手の似顔絵を描きました。
ちなみに本日4月5日の報道では、国民栄誉賞を打診されるも3度目となる辞退をしたイチロー選手。
辞退の理由として「人生の幕を下ろしたときに・・・」とコメントしたとのことです。
イチロー選手は
子ども時代から今に至るまで、まっすぐな夢と尊敬を抱かせてくれるスターです。
では、さっそく描いていきましょう!
今回の制作時間は全部で50分程度でした。
①おおまかに下描きをします。
(Cretacolor(クレタカラー) 色鉛筆 モノリス グラファイト HB を使用)
こちらの鉛筆で描くと、線は柔らかく引ける上に 粉の定着がとても良いので
上から水彩絵の具を塗ったときに 画面が汚れづらいのです。
②さらに詳しい部分まで下描きを進めます。
あとで絵の具でも描き起こすのですが、だいたい形が把握できていないと絵の具でも塗りづらいので
下描きの段階で、最低限の形はわかるように描いておきます。
管理人の場合は、目玉や服の模様までは描きませんが
このままでも何が描いてあるのかわかる程度には、描きこみをしておきます。
③画面を透明水彩絵の具でざっくり塗っていきます。
水だけを含ませた筆でざっと画面を塗り、水分が残っているうちに絵の具を塗っていきます。
今回は、伸び・発色ともに抜群のセヌリエ透明水彩絵の具と
不透明色っぽい表現もできるクサカベの水彩絵の具を併用しています。
管理人の場合は、まず背景を塗ってから服⇒腕⇒頭部・・・というように、
面積の広い部分から狭い部分へと順番に塗っています。
こうすると、周りの彩色に合わせて 一番大事な顔のタッチを決めることが出来ます。
④画面全体の雰囲気を出すために、「どんな場面か」を描いていきます。
今回の似顔絵は、最初は背景をグリーン系の爽やかな感じにしようと思って進めていました。
しかし、描き進めていくうちに 爽やか系よりももっとインパクトのある画面にしたいと思い
紙ふぶきが舞ったり、スタンディングオペーションが鳴り響いたりする 球場の雰囲気にしてみました。
具体的には、当初使っていなかった 赤や黄色の原色を画面に散らして
イチロー選手がクローズアップされるように 背景四隅を黒を使って暗くしました。
⑤描き足りない部分を描きこんで、完成です。
今回の似顔絵は短い時間で仕上げることで 勢いのあるタッチにしたかったので
顔も、あえて細い筆は使わずに 大きめのタッチで描くようにしました。
イチロー選手の顔が一番目立つようにしたかったので
おでこや頬には紙の白をそのまま残して
顔に当たる 強い光を表現しました。
イチロー選手、ありがとうございました!!
下描きから完成まで、すべての工程を動画にしていますので
ぜひご覧ください。
ちなみに、管理人が近年愛用しているスケッチブックはオリオン シリウス 水彩画紙ブック。
函館の絵画堂さんでリピートしています。紙の強さも 枚数も、ちょうどいいんです。
現在3冊目です。
また、以下は当ブログにある水彩画の描き方記事です。
管理人もまだまだ勉強の身です。透明水彩絵の具は本当に魅力的な画材です!