peeps hakodate vol.125『音楽と酒と。もしくはコーヒーと。』

昨年末、『peeps hakodate』 という雑誌をめぐって色々なことがあった(ようだ)けれど、一読者としては雑誌が存続してくれて嬉しい。

私は2000年代、東京で作家活動や仕事をする中でいくつかのアクシデントやトラブルを体験した。

そんな中でよく目にする構図があった。AとBが争っていたら、それはAかBのどちらかに非があるとは限らない、ということだ。表立っては見えてこないけれど、AとBの関係性をややこしくする(C)や(D)がいる可能性もある。

そしてそれは、CやDが良いとか良くないということではなく、自然発生的に色んなことが要因となってものごとが同時進行し、外部からもなにがしかの働きかけが起こる。それらをあとから解きほぐすのは至難の業だということだ。

 

かつて、美術関係の先輩が私に伝えてくれたのは「これはジャッジする問題ではない」ということだった。

どんなに小さく見えても、ひとつひとつの物事は、実はとても大きい。

人の心に関わることは、他人がジャッジできるものではない。

 


 

5月の函館では、アリや蜂、ダンゴムシ、ミミズ、カタツムリ、…たくさんの虫が元気に活動を始めている。

虫たちを目にするたび、私自身はまるで「自分が強者でもあるかのように」目を細めたりしているけれど

私より彼らの方が長い歴史を持っているし、多くの子孫を残すだろうし、数千年後に残っているのは彼らだろう。

美しい5月の函館を前に、自分の自意識が恥ずかしくなる。それでも

小さな人間として生かされていることに感謝したい。

 


 

 


https://x.com/yoshida0117/status/1788053799854289073

 

今月号のpeeps hakodate 、「バップ」というお店の記事を読み涙がこぼれた。

「バップ」のことは、函館のジャズ関係者の方からお聞きしていた。

私は、ジャズは詳しくないけれど生演奏の音楽が好きなので

北海道に来てからも、ジャズの場所に助けられてきた。

 

音楽は、カタチに残すのが難しく、人それぞれで響き方が違うし、繊細な空気のうごきひとつで変化してしまう。

音楽は、ほとんど魂とか記憶とか、人の心のような存在だと感じている。

函館という街に長い年月をかけてジャズの音が浸透したことで、

この街の骨格が出来上がってきたのだと、今月号の雑誌を読み実感した。

 

 

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