小説『隅(すみ)』谷村章子著・函館大門むかし語り|母の小説を自費出版 |追記2022年7月27日

『隅』は、函館市大森町出身の谷村章子による短編小説です。
2012年に北海道新聞函館支社主催の「いさり火文学賞」で最優秀賞を獲り、新聞で連載されました。
「いさり火文学賞」は15年間続いたそうですが2012年が最後です。
小説『隅』は、いさり火文学賞の最後を飾る作品となりました。
そして今年、2022年。
10年越しとなりましたが
母の小説を本の形にしました。
作者の谷村章子は、私(ツキムラ)の実母です。
母は函館市大森町で生まれ育ち、北海道教育大学を卒業後、高校教員として札幌で就職しました。
その後、神奈川県横浜市で教員となり30年あまりを教員として・母親として、関東で過ごしました。
『隅』は、退職した母が 横浜から道南へ帰ってきて、すこし経ってから執筆された作品です。
以下は、『隅』を読んだ方から寄せられた 感想の一部です。(許可を得てアップしています。)
「短い話の中に女性の事、子供の事が詰まっていて、
膨らませたら普通の小説1冊分になるんだろうなと思いました」
「なんかもう、心がぐじゅっとなる」
「その時代その時代の
普通の女性のその人の日常をたくさん残すべき、語るべき」
(三田様・東京都・アクセサリー作家)
「読み応えありました。お値段安すぎです。」
(青山弘志様・函館市・フォトグラファー)
「かつての函館大門の風俗・風景・人が立ち上ってきます」
(米田様・函館市・カフェ店主)
「世の中のはじっこで、町の片隅で、必死に生きた「女」たち。(中略)
…じわっと泣きたくなりました。」
(白井かなこ様・茨城県・小説家)
現在『隅』をお取り扱い頂いているお店は以下になります。
・カストリ書房 (〒111-0031 東京都台東区千束4丁目39−3)
・函館国際ホテル (〒040-0064 北海道函館市大手町5−10)
・CAFE Drip Drop (〒040-0053 北海道函館市末広町4−19 地域交流まちづくりセンタ ー内)
・函館蔦屋書店 (〒041-0802 北海道函館市石川町85番1号)
・函館栄好堂今井丸井店 (〒040-0011 北海道函館市本町32-15 函館丸井今井6階)
・のらいぬ (〒040-0057 北海道函館市入舟町11-3)
ネットショップは以下になります。
小説を本にした理由は、「私がやらないと誰もやらない」と気付いたからです。
いま私たちが読んでいる様々な文章は、
書いた人と、それをカタチにした人がいなければ、存在しません。
「書き手だけでは作品は残らない。」
私は万葉集から新古今和歌集あたりまでの和歌が好きなので、古典文学に触れるたびにそれを実感していました。
身内の母親が書いたこの小説は、新聞連載の際に紙媒体として多くの人の手に渡りました。
しかし、連載されたすべての紙面をずっと保管しておく人は あまりいないでしょう。
家族の私でさえ、新聞の切り抜きを何回も読み返すことはあまり出来ず、
いつのまにか封筒にしまい込んでいました。
でも、ふとした折に 母の小説の中に出てくる子ども達のことが気にかかっていました。
お手伝いの女性のことを(もうお亡くなりになっていますが)
「大丈夫かな」と思い出すことがありました。
登場人物たちが、作品の中から、私に呼びかけている気がしてなりませんでした。
結局、小説が生まれてから本にするまでに10年もかかってしまいました。
母の小説が身内にも忘れられそうになって、
「私がやらないと誰もやらない」
10年経ってやっと、それが身に染みて実感できました。
ゆるゆると販売をしている小説『隅』が、
この先も物語として 生きていけますように。
手に取ってくださったすべての皆さまに感謝申し上げます。