絵本「ゆきの日のバースデーケーキ」小学校5年生のときに作った絵本

 

私は小学校時代に毎年「横浜市海外交流協会 絵本コンテスト」に参加していました。

この絵本は小学校5年生の時に制作したオリジナル作品で、実家に残っていたものです。

撮影・文章打ち込みをしてアップします。

 

ゆきの日のバースデーケーキ

作画・谷村朝子
「パチパチ」だんろのまきが しずかにもえています。
今日は、ペンギン君の家で、白ねこのモル君の おたんじょうパーティーをするのです。
「コンコン」
ペンギン君がドアをひらくと、 白い息をハアハアさせて、モル君が
立っていました。 走ってきたようです。 「やあ、モル君 おたんじょう日、おめでとう。さむかっただ ろう。中へ入って火にあたろうよ」
「ありがとう。じゃ、おじゃまさせてもらうよ。」
台所から、いいにおいがただよってきてモル君の はなをくすぐります。クリームのにおい、ぶどう酒の
におい 「ペンギン君なにか手伝おうか。うれしくて、じっと なんかしてられないんだ。」
「そうかい。じゃ、ちょうどケーキができた所だ。 悪いけど、テーブルまではこんでくれないか」」 「いいとも!!」
ペンギン君からモル君はケーキのお皿をうけ とりました。と、その時モル君の手が つるっとすべって…
ガッシャーン!!
二人とも、しばらくじっとしていました。 ただ、こなごなになったお皿とケーキを、じっと見つめて いるだけでした。
ぼくがちゃんとうけとめなかったからだ、ぼくがちゃんと うけとめていれば。
モル君の目に、あついものがどんどんこみあげてきて、 ひげがピンとのびました。
「君のせいじゃないは、ぼくがわるかったんだから」、 ペンギン君はなぐさめようとしましたが、ついにモル 君は、わっと泣きだしてしまいました。
「モル君、きみさえよければ、ぼくはケーキが こわれてもいいんだ。 今日はきみのたん生パーティーなのに、 ただ、かんじんの君がそんなに泣いてたら、 だいなしになっちゃうよ。」
モル君はぴたっと泣くのをやめました。 そしてペンギン君の顔を見上げて、 「本当?」 と聞きました。まだひっく、ひっく としゃくりあげています。
「きっとみんなも そう言うよ。」
モル君は泣きやみました。 「さぁ、これをなんとか しなきゃ。」 ペンギン君は足もとの こなごなになったケーキと お皿をゆびさして言いました。
「もうすぐ3時なっちゃう。 みんなが来ちゃうよ。」 時計を見てモル君が 言いました。 「ほんとだ。」
かたづけもすんで、モル君はテーブルに ごちそうをならべています。 「やっぱり、ケーキがなくちゃものたりないなあ。」 そろそろみんながくるころです。 「ちょっとおいでよ、モル君。 「なんだい?」
「みんなが来てるんだよ。 さあ、外に出て。」
「ほんとかい?」
「きっと君、びっくりするよ。」
『モル君、おめでとう!!』
1992年12月
横浜国際こども手作り絵本コンテスト応募者各位
今年ももう残り少なくなりました。 絵本コンテストへの応募作品を作 っていた頃は暑い夏だったのにあっという間に寒い12月、冬休みが待 ち遠しいのではないのでしょうか。
さて、11月23日~12月3日の横浜新都市での作品展も無事終了 し、大勢の方々に喜んでいただけました。 これも皆さんから多くの作品 を寄せていただけたおかげです。 どうもありがとうございました。 長い 開おあずかりしてました手作り絵本をお返しいたします。 10日間作品 展で展示された間、 たくさんの方が手に取って読んだため少々いたんで しまっている部分もあるとは思いますが、 ご理解いただけますようお願 いいたします。
なお、応募者全員に、同封いたしましたバッチを参加賞として差し上 げます。 絵本同様記念になると思うので大切にして下さいね。 (グルー プで応募された方々のは代表者の方の中に人数分まとめて入れてありま すので渡してあげて下さい)
寒さが厳しくなってきましたので風邪などひかないよう気をつけて下 さい。
財団法人 横浜市海外交流協会 絵本コンテスト係 

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