「夢見たものは」立原道造作詞の曲のこと

一番好きな詩人は立原道造です。
十代の終わりころ祖父の本棚から見つけた立原道造の詩集に夢中になり
今も大事に持っています。
立原道造の詩に、高木東六が曲をつけた歌曲「夢見たものは」が好きです。
高校時代に、米良美一が歌った「夢みたものは」を聴いて「これは一生聴く曲だなあ」と思いました。
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夢みたものは ひとつの幸福
ねがつたものは ひとつの愛
 山なみのあちらにも しづかな村がある
明るい日曜日の 青い空がある
日傘をさした 田舎の娘らが
着かざつて 唄をうたつてゐる
大きなまるい輪をかいて
田舎の娘らが 踊りををどつてゐる
告げて うたつてゐるのは
青い翼の一羽の 小鳥
 低い枝で うたつてゐる
夢みたものは ひとつの愛
ねがつたものは ひとつの幸福
それらはすべてここに ある と
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欲深い自覚はなくとも、十代・二十代の頃は
あれもこれも欲しくて「幸せ」は 様々な要素が全体的に満たされた状態だと思っていました。
二十代で夭逝した詩人・立原道造は、「幸せ」はこういうものかもしれないよと
欲しがりだった十代の私に提示してくれた気がします。
この「夢見たものは」に
幸せが凝縮されている気がして、なんとなくずっと
いつも思い出しては口ずさんできました。
詩としての作品に曲がのることで、日常の中で繰り返し
詩人のことばをかみしめられるのは 幸せなことです。

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