透明水彩絵具で人物を描くメイキング|屋外の自然光・影の色のポイント

 

透明水彩画を描くときに大切なポイントとして「光があたっている=明るい部分を白く残す」があります。

描き進めていく工程で 明るい部分を表現するために あえて紙を白いまま「塗り残す」ことが大切になります。

近年、水彩画の定義が広くなって油絵具に近い描き方も増えているみたいですが

もともと油絵を学んでから水彩画の魅力に目覚めた私にとって 水彩画の魅力は「白の魅力」。

 

暗い部分の上に明るさを塗り重ねていく油絵が「足し算」だとすれば

透明水彩画は、明るい部分を残しながら重ねていく「引き算」

 

この「引き算」に憧れて、透明水彩画を学び始めたのですが

本当に奥が深く、今後もたくさん練習・吸収をしていきたいです。

 

前置きが長くなりましたが、今回の作品は

「屋外の自然光・影の色」をポイントに制作していきます。

蛍光灯のように 出来るだけ影を少なく、全体を見やすくする照明ではなく

屋外での自然光は、日光の角度やそれによって出来る影をそのままに捉えることが大切です。

光の当たっている部分と影の部分に注意しながらの制作となりました。

 


 

①鉛筆で下描き

いつもは極力、影を描きこまないで下描きをするのですが

今回の自然光と影は ランダムで特徴があるため

さっと影を加えて下描きをしています。

 

②青で影を塗る

室内だと、茶系で影を塗るのが好きですが

今回は晴れた日の屋外のため、影は青色で塗りました。

紙全体を水をつけた刷毛で濡らし、絵の具をにじませるように置いていきます。

逆光もさわやかに見えるように、青空のようなやや明るめの青を使用しています。

また 同じ色で背景も塗ることで

青空の下にいるようなイメージを加えました。

 

③人物の髪や肌、固有色を塗り始める

さきほどの青色がほどよく乾いてから、肌・髪など人物を塗り始めます。

また、羽織ったシャツの影なども、人物に使った色と同系色で塗っていきます。

 

④細部を描き進めていく

シャツのストライプ柄は、一気に描きこまずに

暗い部分を先に描いて、全体が進んだら明るい部分を描き足しています。

こうすることで、細かい部分で足止めをせずにサクサクと描き進めることができました。

じっくり塗りこめていく油絵と違って、透明水彩画は軽やかさ・スピード感も魅力の一つです。

その手早さによる緊張感と、軽いタッチは画面にしっかり表れます。

多くの大先輩による透明水彩画を見ると、神業のような的確さと軽妙さに息をのみます。

 

⑤ポイントとなる色を置いていく

今回は影も衣装もブルー系ですが、人物のリップのみは鮮やかな赤で描こうと決めていました。

最終仕上げでいきなり赤を塗るとバランスが難しいので、この時点で赤を塗りました。

自然光の中で、リップも一部のみに日光が当たっています。

その塗り残しに注意しながら3回にわけて絵の具を重ねています。

 

⑥目など、細かい部分を薄く描いて 徐々に濃くしていく

人物で最も大切な部分である「目」を描いていきます。

いきなりシッカリ描くのは難しいので、まず淡い茶色で形をとります。

自然光の関係で、目の色が薄く見えたり、ランダムな影によって不規則な部分があるので

ざっくり淡く描いてから、必要な部分には濃い色を追加していき

立体感と陰影を出します。

 

⑦全体を見直して 完成

ちょっと暗く写してしまいましたが

ネックレスやボタンなども描いて、完成しました。

屋外の自然光を描くにあたり、いつものように形をしっかり描くというよりは

最初に塗った青い影色の雰囲気を壊さないように

その他の部分を塗り足していったという感じです。

私は通常の人物画ですと、顔、とくに目元を目立たせるように描き込みをしてしまいがちです。

でも今回は 自然光と屋外にいる雰囲気を主役にするために、シャツ部分の明るさや 髪にあたる光の繊細さに

注力して進めました。

 

 

今回使用した画材

今回使用した画材は、セヌリエの固形透明水彩絵具ハーフパンのパレットです。

発色がよく、華やかでにじみのよい絵具です。

少量でも鮮烈な色がのるため、今回のようにシンプルだけど鮮やかにしたい作品にはぴったりでした。

 

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