今月号の『peeps hakodate』は「たいせつなもの、残したいもの」~誰かの持ち物ひとつへの憧れから自分が変わってしまうこともある~

毎月10日に発行される、函館発のフリーマガジン『peeps hakodate』。
今月号の特集は「たいせつなもの、残したいもの」。発行日に入手してきました。
これから読まれる方が大半だと思いますので、ネタバレはなし です。
・・・でもひとついいですか、今回の特集は私にはそうとう嬉しかったのです。
それは、
30年以上絵を描いてきて、
本が好きで漫画が好きで手帳好き=紙類が好きな私には たまらん内容がいっぱい❤ あったのです。
でもネタバレはしませんっ(笑)、
『peeps hakodate』が今の時代、これほどの優れたコンテンツを毎月毎号生み出しているのに
ウェブマガジンにならないこと、
「もの」としての雑誌で有り続けること。
ここに 『peeps hakodate』の美学があると(勝手に思っているので)
『peeps hakodate』に関しては、絶対に手に取って、その内容を読んでいただきたいからです。
でも、紙好き・・・とくに古い紙好き にはたまらん内容でありました。
紙って、ダイレクトに記録される媒体なので
紙そのものが古くなる魅力とともに、
記された内容も同時進行でエイジングを重ねていくんですよね。
私は、紙類のそこを愛してやみません。
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私は、紙類とともに革製品も好きなんですが
色々な種類のものを集めて楽しむコレクター気質ではなく
ひとつのものをずうっと愛用していくことに憧れがある んです。
革製品が好きになったキッカケのひとつは、この書籍との出会いでした。
この本に出てくるのは、さまざまな作家が愛用していた品物の写真とそのエピソード。
立原道造の設計器具とか、池波正太郎の水彩画パレットとか、岡本かの子のペンダントとか。
その中で、めっちゃくちゃにかっこいいと思ったのが、
南方熊楠の手提げ鞄 でした。
この書籍に出会った当時は学生だったのですが、南方熊楠の手提げ鞄の古びた革の美しさに魅せられて
そのあとすぐに西荻窪の骨董屋をめぐりまして、大正~昭和初期に船舶で利用されていた革のトランクを購入しました(あまりに熱心に見ていたので、店主さんが5分の1くらいの価格で譲ってくださいました)。
その後、ひとつの革製品を「長く愛用して味わいをだしていくことが美学」と思うようになり
現在も、9年ほど前にオーダーして作ってもらった革のバッグなどいくつかの革製品を愛用しています。
ここ10年ほどはシステム手帳が好きですが、
システム手帳は革と紙がドッキングしていて、私にとっては夢のような品物だからですね。
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憧れのもの、憧れの人との出会いって、いつどこで起こるかわかりません。
私の場合は、1冊の書籍に掲載された南方熊楠の革鞄への憧れ から、
その後の趣味嗜好・生活までが方向づけられたといっても過言ではありません。
誰かの愛用したものに出会うことは、その人自身の歴史や生き方にダイレクトに触れること でもあります。
その出会いが盛り込まれた今回の『peeps hakodate』。見どころ・読みどころが盛りだくさんでした。
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『peeps hakodate』、創刊号から読んでいますが今月号で vol.48 だそうです。
ということは、2018年の1月号で vol.50 ですね!!
私は毎月、ただただ楽しく読まさせて頂いている1読者ですが
50号ってすごいなあ・・・!!読者として50号目を読めること、とても嬉しいです。
でもまずは、休みの日に珈琲でものみながら
今月号をじっくり読み返そう❤と思います^^。