30代から見た着物文化メモ・・・「着物好きのお姉さん」から「和ゴス」まで。
2013年の記事を一部手直ししての再掲です。
現在30代(制作業・美術畑出身・サブカル好き)の私から見た、現代の「着物」の印象をメモしておこう!と思い立ちました。
完全に、個人的な見解ですので 見当違いや間違いも多々あると思います><
が、いい機会なので、画像をわさわさと集めて、メモを添えてアップしておきます。
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「1・着物好きな作家に憧れる」
カリスマ的マンガ雑誌「ガロ」を好み、
「花の24年組」の作品に影響を受けた私にとって、
近藤ようこ・山岸凉子の作品中に出てくる
着物好きな女性の存在や、手書きで書きこまれるウンチクは
とても気になる存在でした。
「あの先生方は、よっぽど着物が好きなのだなあ・・・ストイックで格好いいな」
と、思っていました。
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「2・美のカリスマは着物を愛しているらしい・・・と気付く」
私たちの世代は、10代の頃に「スーパーモデルブーム」を体験しています。
当時一番騒がれていたのは、ナオミ・キャンベルやシンディ・クロフォードあたりですが
日本のモデルの存在が取り上げられるときに、必ず言及されるのが 山口小夜子さんです。
ハーフモデル全盛期にあって 黒髪・おかっぱを貫き通し
世界的なモデルとして活躍された日本人女性。
彼女の写真や著作、出演作品には、必ずといっていいほど着物が登場します。
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「3・ゴシックロリータ系の派生として生まれた、和ゴスというジャンルを見つめる」
上は、90年代~2000年代初頭のビジュアル系やゴスロリを追いかけた人ならたいてい目にしていると思われるアイテム・・・
画家・金子國義がデザインした浴衣です。
金子國義というと、人形作家の四谷シモンらと並んで
現代のゴシックカルチャーのベースを築き上げた存在として敬われています。
また、90年代から続くビジュアル系のスーパースターであるhyde氏も尊敬しているアーティストとして二重三重のファンが多く存在しています。
この金子國義のバックグラウンドが着物の世界であり
ゴシック系と着物文化を融合させるアレンジ方法を浸透させたのも、この作家や、周辺のクリエイターだと思われます。
そして、ゴシックロリータ系のブランドが着物をベースとしたドレスを打ち出したり、
和装の中にゴスロリ系の要素を取り込んだり、
日本のゴシックカルチャーとビジュアル系、さらにはバンギャル文化を体現したような
GACKT氏の時代劇進出によって
お茶の間や表舞台でも和ゴスをベースとしたイメージが多くみられるようになり
時の女性写真家であり、カメラ女子のカリスマでもある蜷川実花の初監督映画「さくらん」で、その世界観が3次元のものとしても確立されました。
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「4・日本のデザイナー達によるセルフカバーに気付く」
上は、山本寛斎のショーに出演する土屋アンナ。
映画「さくらん」で主役を務める前に、
日本のロリータのバイブル的作品でもある「下妻物語」で準主役のヤンキーを演じていました。
彼女こそ、2000年代のファッションシーンの落とし子ともいえる存在です。
「和ゴス」というと新しいジャンルのようですが
実際には、とっくの昔に山本寛斎はじめ精鋭クリエイターがそのエッセンスを確立していたともいえます。
たとえば、グラムロックのスーパースター、デビッド・ボウイの衣装。
山本寛斎のデザインです。
「出火吐暴威=デビット・ボウイ」・・・すごい!!
また、世界的な衣装デザイナーの一人であるワダ・エミの作品。
数十年前の作品でも、すでに自由度の高いアレンジや遊びが打ち出されていて
「傾く=かぶく」の精神とはこういうものだろうか!と感じさせられます。
近年、これらのデザイナーも和をモチーフにした作品を多く発表しています。
しかし、これらは時代に合わせているにせよ、すでに体得していた「型」を復活させた結果ともいえそうです。
そして、こうした先達が数十年前に間口を広げてくれていたおかげで、ゴシック系カルチャーと着物が
現代のように融合できたのかな?と思います。
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とりとめのないメモですが・・・
自分の育った時代の中で見てきた「着物」を、書きつけてみました。