函館(地方)でのアート活動

北海道の南、函館市で画家・美術講師として活動して12年が経ちました。

この12年間で美術のお仕事で生活するためにやったことをシェアしたいと思います。

これから表現活動を始めたい方や、そんな目標を持っていらっしゃる知り合いのいる方にも読んで頂けると幸いです。

この記事は、一度に書ききれないため随時追記していきます(その際はSNSなどでお知らせします)。


①函館=アート活動がしやすい理由

私はもともと大学時代を含めて10年間、東京で画家・漫画家などのお仕事をしてから北海道移住をしたのですが、

結論としては「函館に来てからのほうが」手ごたえがありました。以下にその理由を挙げていきます。(これらの内容は私個人の体験に基づいていますので、当てはまらない方もいらっしゃることを念頭に置いて書いていきます)。


  • 地元メディアが協力的・・・ちゃんと取材・掲載してくれます。これって凄いことで、たとえば私は東京時代には、新聞取材を何回申し込んでも掲載してもらえませんでした。でも、函館はテレビ・ラジオ・新聞・フリーペーパー・個人メディアなど様々な媒体がちゃんと掲載してくれたり、取り上げてくれたりしました。東京でも有料の雑誌掲載はできますが、たとえば美術雑誌の広告欄は小さい欄で6万円ほどの相場でした。
  • お客さんとの距離が丁度いい・・・毎回見てくれる方が多く、応援してくれる人も沢山いらっしゃいました。また、有益なアドバイスを惜しみなくくださる方にたくさん出会うことができました。
  • ローコストの会場が一定数あり、管理者の方と直接コンタクトがとれる・・・東京だと、六畳間ほどのギャラリー一室借りるので一週間20万円以上は当たり前なのですが、函館は無料のギャラリーがあったり、レンタル料が東京の十分の一ほどだったりします。また、管理者が複数いることも多く(会場スタッフと運営会社など)何か確認をしたい場合でも時間がかかったりしました。函館の場合は、そういったことが少なかったので報連相(報告・連絡・相談)がしやすく助かりました。
  • 環境がよく、制作がはかどる・・・年間を通して大災害や猛暑日もほぼなく(しかし今年は暑いですね(笑))、関東のようにスギ花粉被害も少ないです。騒音も都内に比べるとほとんどありません。その上海も山もある自然豊かな環境は、集中するにはぴったりです。
  • 生活費が抑えられる・・・家賃は都内にくらべるとぐっと低く、美味しい農産物・海産物が安価で手に入ります。(基本的に函館の人たちは美味しいものを日常で当たり前に口にしていて、とても舌が肥えているので、美味しくないものが街に存在しません)。衣食住に関しては都心よりかなり抑えて生活ができます。

以上のような理由は、アート活動にみならず様々な生活形態にも適しているといえます。

ここで言いたいことは

これら函館ならではの恩恵を「当たり前のこと」としてスタートするのと、

こういった恩恵を「かなり特別で、自分にとってありがたい」のだ、と自覚してスタートするのとでは

相当違ってくるのではないか、ということです。

これは私自身いつも考えていることなのですが、恩恵を自覚して、感謝していないと「なあなあ」になってしまうのです。

東京はじめ大きな都市ではとうていありえないことが、ここ函館では実現します。

けれども、それを「当たり前」としてしまうと、突出した何かをやったり、キャッチしたりすることが出来なくなります。

自分自身が「当たり前」の一部になってしまい、何が活かせることなのか、何が素晴らしいことなのか、分からなくなるのです。

(そういったことを実体験として知るために、一度 短期間でも、大都市に出て活動してみることは無駄にはならないと思います。)

私が声を大にして言いたいことは、いつも同じなのですが

「函館は本当に素晴らしい!」ということです。

(一回目のアップはここまでになります。2023/8/29)


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