20代一人旅の思い出 #みんなの狂った旅程を教えて 

 

とにかく一人旅が好きだった私は、学生時代から何度も国内一人旅をしてきました。

当時は東京/横浜に住んでいましたが、全国各地へふらりと出かけては貧乏旅行を楽しんでいました。

さきほどTwitterで素敵なタグ “#みんなの狂った旅程を教えて” を見つけたので、印象深かった一人旅のエピソードを書いてみます。

(さほど珍しい旅程ではありませんが、タグ参加したいがためにこのタイトルにさせてもらっています)

某コロナのせいで引きこもりがちな今日この頃ですが、

懐かしい旅先の記憶で遊んでみるのもいいかもしれません。

 

 

 


 

 

1・長崎で貧乏旅なのにスイートルーム3泊4日

 

ある時 思い立って長崎県へ行ったのは大好きな作家・舟越保武の作品を見るためでした。

シーズンオフで飛行機とホテルの激安パックが、確か3泊4日で5万円ほど。

ホテルのスタッフさんが本当に優しくて、

予約したのはシングルの小さな部屋だったのに、スイートルームが空いているということで

最上階・2フロアある部屋に(追加料金なしで)変更してくれました。

キングサイズのベッドが2つならぶベッドルームに、大きなソファやテーブルセットのあるリビング。

部屋の一面は大きな窓で、長崎の街を一望することができます。ハリウッド映画に出てくるような豪奢なインテリアにも目を見はりました。

お財布には1000円札数枚しか入っていなかった当時の私には、とにかく信じられないお部屋でした。

 

ホテルで荷ほどきをしてから真っ先に、旅の目的である舟越保武の代表作「26聖人像」を見るために西坂にある教会へ向かいました。

夕焼けの中で夢にまで見た舟越作品と向き合い、暗くなるころにホテルへ。

翌日も西坂に行き、26聖人像を2時間かけてスケッチしました。

その後、平和記念公園へ行って母子像をスケッチしたり道行く人々をクロッキーし、憧れの美輪明宏が生まれ育った環境に思いを馳せながら長崎の街を歩き回りました。

 

また 予備校でお世話になった先生がステンドグラス工房に就職されて、最初に任された作品がある教会を訪ねると

ちょうど葬儀の直前だったようで 誰もいない教会内に白い棺が置かれています。

教会内には棺の中に眠る人と、私のたった2人という状況で

先生のステンドグラスを鑑賞するという体験をしました。

また、たまたま立ち寄った商業施設では大好きなマリリン・モンローの特別展が開催されていて感動しました。

 

翌日、当時自分で勉強していた隠れキリシタンを知るために諫早湾を見ながら鉄道に揺られて島原城へ。

島原駅の近くに、隠れキリシタン関連の書籍が豊富に揃う古書店がありまして

古書籍・月光堂

そちらでレアな古書を入手しました。

その10年後、この書籍のエピソードを愛知県のギャラリー・キワマリ荘オーナー古沢和宏さんにお話したところ、ちくま書房の著書に掲載いただきました。

交通費と最低限のお小遣いしか持たずに旅をしていたので

地元グルメなどは堪能できず、地元スーパーで買った菓子パンと牛乳を買って豪奢なスイートルームで食べるというちぐはぐな旅でした。

それでも、忘れられない作品・古書・歴史・人情によってココロの底から満たされた旅でした。

 

 


 

 

2・年末、日本最北端の納沙布岬へひとりで行って死にかけた日。

 

何を思ったか、12月28日~31日までひとりで根室のホテルに宿泊して納沙布岬へ行きました。

零下20度以下、吹雪の中を歩く人影もないのに 不思議なテンションのままホテルにチェックイン。

滞在中は、1日1食(外食できるお店が空いていなかったので)地元のスーパーで買い込んだおまんじゅうや惣菜を食べていました。

根室市街から納沙布岬までは1日に数本のバスが出ており、片道40分ほど。

シーズンオフもオフで、土産物屋や食堂も閉まっています。

当然、納沙布行きのバスの中は私一人でした。

 

納沙布岬に到着し、吹きすさぶ雪の中を歩き回って撮影したり海をぼんやり眺めているうちに

なぜか「そうだ、このまま歩いて根室市街まで帰ろう」と思い立ちました。

なぜそう思ったのか・・・

極寒のなか 車で40分の道のりを歩きで戻れるのか、そもそも来た道を覚えているのか、

何も判断できていないまま車道を歩き始めました。

30分ほど歩いたところであまりの寒さに体の感覚がなくなってきて

と同時に、頭上に黒い影がたくさん見えてきました。

それは何十羽ものカラスで、私が移動するたびに頭上の電線上を群れになって

少しずつ進行方向へ動いているのでした。その時にやっと「やばい」という判断が出来て、

来た道を小走りにバス停まで戻りました。

その後はよく覚えていませんが、鈍行で根室から函館へ戻ったのは12月31日の深夜でした。

 

 


 

 

3・ある朝思い立って岩手県へ行った日。

 

大学2年生の夏だったと思います。

朝7時頃、気持ち良く早起きして大学近くの雑木林を歩いていました。

ふいに「そうだ、岩手へ行こう」と思い立ち、当時近くにあったオレマことオレンジマートで菓子パンと牛乳、「化粧惑星」というシリーズのプチプラコスメのファンデーション(赤いパッケージ)を購入してからいったんアパートへ帰宅。

「アルゴンキン」というメーカーの赤いキャンバストートバッグに最低限の着替えと必需品を放り込んで都営バスに乗りこみました。

そのまま東京駅へ行って時刻表を調べて岩手へGO。

岩手では、大好きな舟越保武の彫刻を見るために「岩手県立美術館」へ。バスなどはつかまらないので、タクシー移動でした。ここで購入したカタログは、今も大事に本棚に並べています。

小学校時代に行って感銘を受けた花巻・遠野へも足を伸ばしました。小学校時代に大感激した「五百羅漢」は、以前は草刈りが行き届いて開けて明るい場所でしたが このときには鬱蒼とした木々の中にあり驚きました。

道中、山の中に佇むローソンでおにぎりを買い込んでいたので五百羅漢の中で食べました。ローソンには地元の高校生男子がたむろしていて、コンビニってどこにあっても ついついたむろしたくなる場所なんだなあと再確認。

しかし神像の中でお供えもせずにローソンおにぎりを食べた罰が当たったのか、この時すごい数の虫刺されに遭いました。2泊して帰り道は、翌日にバイトがあったので急いでいました。

花巻空港へ行けば東京行きの飛行機に乗れると思ったら、花巻空港からは名古屋行きしかなく(当時)自分の行き当たりばったりさに びっくり。そのまま盛岡駅へ行き、新幹線で帰りました。大幅に予算オーバー。

バイトにはギリギリ間に合いませんでした。

 

 


 

 

これまでに リゾートや観光とはいえないひとり旅を沢山してきました。

いつも旅のあとに思い出すのは、「これは一生忘れないな」という体験です。

お金を出せば一定のクオリティで安全に過ごすことが出来ますが

私がひとり旅に出る最大の目的は 日常からの脱却であり

自分ひとりで色んなことを味わうためなので、とくに快適でなくともイイのでした。

しかし、10代20代30代前半までは可能だったこういうひとり旅も、最近では体力面と精神面で

もう「もたない」とわかるようになってきました・・・

 

さびしくもあり、年月を経てきたことへの安心感もあり。

ただ こういう自粛生活の日々に、思い出して楽しめる体験があったというのは

得難いものですし、「ひとり旅ってやっぱりいいな」、と思うのでした。

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