白い花を描く水彩画の描きかた・色を重ねる工程と解説

 

水彩絵の具で「白いもの」を描くとき、 そのまま「 白の絵の具」を塗っていませんか?

 

水彩絵の具で白いものを描くときには、紙の色をそのまま塗り残して「白」を表現することが基本となります。

今回は、「白い花」を描く過程を解説しながら

水彩絵の具で「白」を表現する方法を見ていきます。

・色のついた紙を使用する場合には 白の絵の具を塗ってOKです。

・学校などで不透明の水彩絵の具(F絵の具やぺんてる絵の具、ポスターカラーなど)を使用する場合には、白い絵の具を使うこともあります。

 


 

 

 

こちらの 白い花がメインの水彩画を例に解説します。

ちなみに、こちらの絵は生花の実物を見ながらスケッチしたものです。

以下 手順・解説の内容です。

 

1「下描きは最低限の線でシンプルに描きます」

2「メインの花の、周りから塗りはじめます。白い花はまるごと塗り残してください」

3「白を引き立たせる色で影などを描きこみます」

4「色・タッチを整えて完成です」

 

 


 

1「下描きは最低限の線でシンプルに描きます」

 

 

白い部分を塗り残すので、下描きの線は最低限にします。

今回はBの鉛筆を使って、輪郭のみを描きました。影などはつけていません。

あまり複雑な線で描いてしまうと、水彩絵の具を塗ったときに鉛筆の線が必要以上に目立ってしまいます。

今回は、 とくに白い花の輪郭を丁寧に描きました。

葉っぱなど花の周りにあるものも この時点で下描きしています。

 


 

2「メインの花の、周りから塗りはじめます。白い花はまるごと塗り残してください」

 

 

白い花のまわりを塗っていきます。

  1. 水だけを含ませた水彩用の絵筆で、白い花の周りを濡らすように塗ります。(一気に全てを塗るのではなく、右上のみ⇒左上のみ⇒・・というようにパーツごとに塗っていくときれいに仕上がります)
  2. 水で濡れている部分に、絵の具をつけた筆をチョンチョンと置いて 色をにじませていきます。
  3. にじませた色どうしが 混ざり合ったりにじんだりしてくるのを観察します。ここで、「もうちょっとこの色を入れたいな」と思ったら色を加えます。逆に「絵の具をつけすぎたな」と感じたらティッシュなどで絵の具を吸い取ってみるのもよいでしょう。
  4. 画面が乾いてきたら、白い花以外の花(例の画面では 右上の赤い花や葉っぱなど)を塗ります。思い切って鮮やかな色を使ってみると、白い花がいっそう引き立つかもしれません。白い花の部分は「紙の白を残す」ので、白を引き立たせてくれる色・・となると濃い色・鮮やかな色などになります。

 


 

3「白を引き立たせる色で影などを描きこみます」

 

 

白い花に描きこみを加えていきます。

さきほどから、「紙の白を残す」ために白い花を塗り残してきました。

しかし、真っ白なままでは花の立体感や色味が加わりませんので 残してきた白い部分に描写を加えていきます。

  1. 黄色にわずかな紫色や緑色を加えて、水を多めにふくませた絵筆で花びらの影部分を塗って行きます。このとき、色をすべて混ぜないで 少しずつ部分的に加えるようにしてください。すべての色を混ぜてしまうと、グレーになります。混ぜきらないで 黄色は黄色、紫色は紫色として認識できる程度にとどめておくのが大切です。
  2. 画面が乾いていくのを観察しながら、足りないと思える部分に色を加えて調整していきます。
  3. 今回は、白い花2つのうち右側の花を暗くするために全体にグレーを加えました。こうすることで、左側の花が手前に出て、右側の花が奥に引っ込んでいるように見えます。ちょっと思い切った決断でしたが、こういう調整が成功すると、このあと絵を描くのがますます楽しくなってきます。

 


 

4「色・タッチを整えて完成です」

 

 

さきほど白い花の花びら部分や影を描きこんだので、ほぼ完成となりました。

ただ、このあとにもうひと手間加えて 全体を調整することで絵の雰囲気を強調することができます。

  • 画面ではちょっとわかりづらいですが、左側の白い花の下部分に 筆をナナメにしてシャッシャっとタッチを加えています。
  • 左上の一番奥がさみしかったので、もうひとつ深紅の花を描き加えました。
  • 右側の背景部分の葉っぱを描き加えて、花束の密集した感じを表現しました。

 


 

いかがでしたでしょうか。

実物の花を見ながら短時間で一気に描いた作品です。

白い花の「白」を表現するために 紙の白を塗り残し、

さらに「白」の中に影や色彩を加えて 立体感を出しました。

今回の描き方のポイントは

  • 白を引き立たせてくれる色を積極的に使うこと
  • 真っ白なまま残す部分を決めて、そこは最後まで色を塗らないこと

です。

また、水彩絵の具を使うとき 「筆が描きづらいためにうまくいかない」ということがよくあります。

水彩絵の具が苦手・・・という方に、水彩用の絵筆を試していただいたところ

スルスルと自然に描けてびっくりされることもしばしばです。

チャレンジしたけれどうまくいかない場合は、ぜひ 水彩絵の具に適した絵筆を1~2本用意してみてくださいね。